bonyarifeminist’s blog

うすぼんやりとした自称フェミニストのブログ。こちらはバックアップ用。

私はフェミニストなのか?(4)

 フェミニズムの本を読めばいい、と思いついたものの、いったい誰が書いたどんな本を読めばよいのかさっぱり分かりませんでした。

 当時の私が唯一知っていたのが、上野千鶴子です。そこでまず『スカートの下の劇場』を読み、『男流文学論』を読み、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を読み(この本の著書は遥洋子ですが)、そうこうしているうちに小倉千加子のことを知り、田中美津のことを知り、彼女たちの著書も読むようになりました。

 それはもう、面白かったです。夢中で読みました(でも読んでてもすんなり中身が入ってこない『家父長制と資本制―マルクス主義フェミニズムの地平 』とかは途中で止めてしまいました……)。私がおかしい、嫌だと思ったことを、おかしい、嫌だと思う人は他にもいるんだ、と知ったことに勢いづけられ、この時期の私はにわかフェミニストとして元夫や両親にも自分の考えを滔々と述べていました。元夫は「言いたいことも分かるけどさぁ」とあきれ顔で、母とは大ゲンカになったりしました(映画『デブラ・ウィンガーを探して』をドヤ顔で見せた後です)。

 けれど、ある日、本を読んでいた時のことです。うろ覚えですが、上野千鶴子小倉千加子の共著『ザ・フェミニズム』だったと思います。上野千鶴子が、小倉千加子について「『結婚しているフェミニストは嫌い』と言ったためにいろいろな方面から批判を浴び」というような主旨の発言をしていました。その文章を読んで、ものすごくショックを受けました。

 

わたし、結婚してる! フェミニストって、結婚したらダメやったんか! そういや上野千鶴子小倉千加子田中美津も結婚してない! 

 

 僭越ながら「私と同じことを考えている!」と勝手に共感していた人たちから、「結婚してるアンタはフェミニスト失格。フェミニストを名乗るなんておこがましい」と否定されたように感じました。同じ頃、引っ越し、離婚、また引っ越し、そして再婚、転職、出産……と大きなライフイベントが立て続けに起こったこともあり、私は前ほどの熱意を持ってフェミニズムに触れたり、語ることをしなくなりました。