『カップルを考える』講座に参加
朝日カルチャーセンターで開催された信田さよ子さんの講座『カップルを考える』に参加してきました。
あの信田さよ子、しかもテーマが「カップル」。エッジィで他人に厳しい中年女(自分も含めて)がわんさか詰めかけるだろうと勝手に思い込み、ものすごい気合いを入れて行ったのですが、私が見る限り、聴講生のみなさんはごくごく普通の人たちでほっとしました……。
さて私、出産以来、ずっと温めている(?)妄想があります。それは、子育てに男なんていらないのではないか。小さい乳幼児がいるお母さんたちだけ集まって助け合って暮らし、それだけでは立ち行かないだろうから保育士や病児保育をしてくれる看護師を雇って昼間は母は働きに出て、父親からはお金だけもらってたまーに面会に来させる、っていうのがいちばん幸せなのではないか、というものです。
こんなことを考えるのは私だけかと思っていたのですが、もちろんそれは大きな間違いでした。というかそもそもロマンチック・ラブ・イデオロギーに基づいた父と母と子からなる家族という形態には無理がある、もともとそういう無理なことをやっているのだから、しんどいのは当たり前、とこの講座で知ってなんぼか気が楽になりました。
無理なことをやるには工夫が必要で、現代社会においては、(一般的には)経済的・社会的に強い側にある男性が、カップルという関係性の中で意識的にワンダウンの位置取りをすると良いのだそうです。男性が女性の意見をまず聞け、そして女性が自分と違う意見を持っていても、そうかもしれないね、と相手を尊重しろ、と。しかし幼児化はいけない、と。
これ、ほんとにそうだよね、と思いました。そしてもっともっと、ぶんぶん首を縦に振ってうなずきたかったのは、セックスレスのカップルは仲が良い、ということでした。どんなセックスでも、それはもしかしたら暴力かもしれないからです。さまざまな人をカウンセリングしていると、たいていセックスレスなんだけれど、例外は夫がDVをしている夫婦だと。そういう夫は妻が悦んでいると勘違いしてセックスすると。それは暴力以外の何ものでもないですよね。
というわけでいろいろと参考になるお話ばかりだったのですが、課題はこれをカップルの片割れである夫にどうやって理解させるか、だよなと思いました。「ワンダウンの位置取りをしてくれ」と頼んだところで夫がすんなり「うんそうだね」と言うとは思えないし、「セックスレスのカップルがいちばん仲良しなんだって」と言っても「で?」と言われて終わりそう、というか「は? セックスもできないのになんで夫婦じゃなきゃいけないんだよ? じゃあ浮気するぞこら」とすごまれそうだし……。
ああ無情。
やっぱ男、いらんかも……。