bonyarifeminist’s blog

うすぼんやりとした自称フェミニストのブログ。こちらはバックアップ用。

たぶん毒親『お弁当ばこのうた』

 子どもが生まれたときからNHKEテレしか見なくなってしまいました。4月からの番組改編で、私がEテレを見ている時間には『みんなのうた』が流れていないのですが、土曜などふとテレビをつけると『みんなのうた』が放送されていることがあります。『ラジャ・マハラジャー』や『北風小僧の寒太郎』が流れている日には、母親である私が大きな声を張り上げて歌ってしまい、大騒ぎです。戸川純最高。

 好きな歌もあれば嫌いな歌もあるわけで、普通は嫌いな歌の場合、家事に専念するなどしてスルーするのですが、時になんとも気持ち悪く、黙って見過ごすことすらできない歌が流れることもあります。最近、なにこれきもちわるいほんといや嫌い! と寒気がしたのが、『お弁当ばこのうた~あなたへのお手紙~』です。

www.nhk.or.jp

 何この歌最悪……。鼻にかかった歌い方も嫌いだけど、メロディがださいし、歌詞も変。こんなの好きな人いないよね? と思ったのですが、意外にも好きな人が多いらしく、NHKの「おはよう日本」で特集さえされていました。うそでしょ?? という感じです。

 私がこの歌を嫌いなのは歌詞にとどめをさします。これ、「感動ソング」のつもりかもしれないのですが、よくよく聞くと、おしつけがましいメンヘラ毒母のひとりごととしか思えません。好きなものばかり入れられないのよ「許してね」と母親が言うのも気持ち悪いですし、毎日彩りよく、バランスよいお弁当(弁当にセロリ入ってたら、私なら捨てます)を作っているのよあなたのことを考えて、と言ってるくせに、好きな人ができてダイエットしたいって言ったら弁当作るのやめるんかい⁉ 

 私もかつて多感な思春期に、片思いの相手から「痩せたら付き合ってやる」と言われ本気でダイエットを考えたことがありましたが(もちろん挫折)、もしもタイムマシーンがあるのなら、あの時の私をハリセンではたいてやりたい。「痩せたら付き合ってやる」なんて、そんな男の言いなりになってはいかん! たとえダイエットが成功して、そんな奴と付き合ったって不幸になるだけだ! と。それなのにこの母親はダイエットする娘を応援するために弁当作るのやめるって示唆しているんですからね。下手したら娘は拒食症まっしぐらです。

 その上この歌につけられているアニメがこれまた最悪で、ねえここん家は母子家庭という設定なの? というくらい父親の影がない。しかし母親は働きに出ている様子もなく、やることと言えば料理と、自転車に乗ってスーパーに行くのと、子どもの具合が悪いのを見ておろおろするぐらいなので、きっと経済的負担を一身に担う父親がいるのでしょう。また出たよ、父親不在で母親が家のことを何もかもやる家庭。母子ダイアドがきつすぎるこういう家庭像が、『みんなのうた』ですら刷り込みとして放映されているのです。

 同じおべんとうばこのうたでも、昔からある「これっくらいの、おべんとばこに、おにぎりおにぎりちょんとつめて♫」のほうが、変にメンタルに訴えかけていないだけ100倍ましです。とにかく私はおしつけがましい「感動」が苦手だし大嫌いなので、公共放送であるNHKではこういう歌を流してほしくありません。中立でいけよ、中立で、と思います。

 そういや『トイレの神様』も大嫌いだったよな~。でもなぜか数年に一度、この手の歌がヒットするんだから、おしつけがましい感動を求めている人っていうのもいるんだろうなあ……。