bonyarifeminist’s blog

うすぼんやりとした自称フェミニストのブログ。こちらはバックアップ用。

82年生まれ、キム・ジヨン

 巷で話題になった『82年生まれ、キム・ジヨン』を今更ながら読みました。

 

www.chikumashobo.co.jp

 身につまされることがありすぎて、読むのが辛い……と思いながらも一気に読了。それほど長くなく、リーダビリティも高く、内容も興味深く、ベストセラーになるのもそりゃ当然だと思いました。ラストは「あーそーきたか。そーくるよね」という感じではありましたが……。

 

 自分が今まで経験したことに似たようなこともいろいろあったし、何よりキム・ジヨン氏のお母さんがとても印象的だったので、母にも勧めてみました。やはりすらすらと読めたらしく、3日後に本が返ってきたのですが、その時に母が述べた感想が、

「韓国ってえらい国やな。この主人公、あんたと同じ年やで(注:ジヨン氏と同じ年なのは私の妹であって、私ではない)。それやのにこんな男尊女卑なんやで!」

というものだったので、ズッコケました(死語?)。

 

 お母さん。ここに書いてあるようなことは、あなたの娘である私や妹の世代がほとんど体験してることなんやで。最初の会社では、同じ新卒採用なのに、男の子の同期のほうが初任給高かったんやで。「男子である」っていう理由で。次の会社は、「男は待遇が良くないといつかない」という理由で、女子は契約社員採用、男子は正社員採用やったんやで。会社にクレーム電話かかってきて対応してたら、「女じゃ話にならん。上のものを出せ」って言われたんやで。終電間際までの残業続きでくたくたに疲れてタクシーに乗ろうとしたら、すれ違ったおっさんから「女のくせにタクシーに乗りやがってよ」と言われたんやで。そんなのまだましなほうで、私の友人は会社の忘年会帰りにタクシーに乗ったら、運転手から「おっちゃんは上手やで~やらせろ」と言われて車止められたんやで。別の友達は妊婦やった時、満員の通勤電車から降りぎわに、誰かに「じゃま!」って言われてお腹をパンチされたんやで。子どもを産んで以来の、世間からの母プレッシャーなんて言うにおよばずやで。

 

 ……と母に訴えたら絶句していましたが(普段、嫌なことに遭ってもいちいち親に報告したりしないですからね)、母はしばし絶句した後に

「でも私は家庭の中で、そんな目にいっぱい遭ってきた」

とひとこと。

 

 日本も闇が深いよ。闇が深すぎて黒光りしてハレーション起こしてるような感じだよ……。